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社内対談まちのみなさまと共に健康な”食”と”生活”をつくり、毎日いきいきとすごせる社会を目指す――「みるたす」を語る。

代表の吉田圭吾さんを囲んだ和やかな雰囲気の中、みるたす株式会社の設立の経緯から今後の展望まで社員の皆さんに語っていただきました。

  • 吉田 圭吾(よしだ けいご)
    代表取締役社長、薬剤師。アスリートの一面を持ち、日々食と栄養の大切さに向き合っている。
  • 東郷 直征(とうごう なおゆき)
    管理栄養士。料理が好き。独創的なアイディアを活かしてお客様の希望に寄り添う。
  • 仲野 智子(なかの ともこ)
    管理栄養士。グローバルな視点から、誰もが自然に健康になれる食環境づくりに取り組む。
目次

みるたすの設立経緯

はじめに、みるたす設立の背景を教えていただけますか?

みるたすは保険薬局チェーンの薬樹ホールディングスが母体となっているので、まずは薬樹における管理栄養士の歴史を簡単にお話ししますね。

約30年前から薬樹の店舗には大先輩の管理栄養士の方々が活躍されていて、当時から管理栄養士が活躍できる場の一つに薬局が適していると考えていました。
そこで十数年前から管理栄養士の新卒採用を開始したんです。
徐々に人数も増え、薬局で提供できるサービスの中に管理栄養士の職能を発揮する部分を多くつくることができたと同時に、これが薬樹の強みになりました。
これは薬樹の中でとどめておくにはもったいないし、今後、日本が超高齢化社会を迎えるにあたって低栄養やフレイル、サルコペニアの問題や、世界的課題になってきている食の持続可能性という観点からも、管理栄養士に求められる役割はより広がっていくだろう、と。
そこで、管理栄養士の活躍の場の1つとして、みるたすがあった方がいいということで立ち上がったのが設立の背景ですね。
自分自身も雑誌とかで、身体をつくっていくために何を食べたらいいのか知識を入れてても、実際管理栄養士に見てもらうと、自分に合っていること、合っていないことがあって。これはすごい面白いな、 この専門性を活かさない手はないよね。っていつも思ってます。

管理栄養士の役割とは

私たちが取り組むテーマ「食」と「栄養」。「食」は幅の広さ、「栄養」は深さがありますよね。 食と栄養、どちらにフォーカスするかで、取り組みも変わるのではないかと感じたんですが、みるたすとしてどこをフォーカスしているのか、お2人の中の認識っていかがでしょうか。

管理栄養士として特化しているのは栄養なのかなということを考えると、「食という道をたどって、栄養からアプローチする」ことかな、と。栄養という言葉を含めているのは、管理栄養士であるが故に、だと思います。

確かに今みるたすとして取り組んでいるところは、「栄養」で語れる内容が主になってくるかと思っています。 ただ、栄養だけで語ると少し不足している気がして。
例えば在宅のお客様に訪問して行う栄養相談の場合、直接的な支援っていうのは確かに栄養に関することだと思うんです。でも経済的な問題で、その方に本当は召し上がっていただきたい食事ができなかったり、選んでいただきたい食品を買えない時に、その管理栄養士がどう支援できるかとなると、栄養だけでは語りきれなくて。
なので、食も栄養もどちらも大切で、食の支援をする中で栄養のアプローチもできるのではないかなと思っています。

食と栄養、どっちか一方じゃダメだと思うし、かといって、食で丸めてしまうのではなくて、あえて「栄養」っていう要素を切り出すことも必要なのかもしれないですね。
今話を聞いていて、管理栄養士って翻訳者みたいな感じかなって。食というと、「生活としての食事」という感覚があるけれど、管理栄養士は、栄養という観点から普段とっている食事について翻訳してくれるというか、栄養っていう専門的な観点と食事の話をうまく繋げてくれてる気がしますね。

それに加えて、管理栄養士が相手の方に寄り添えるかっていうところもすごく大事ですよね。「食」って、その人の人生そのものというか。何十年という生活の中で「朝はこれを食べる」というのが決まっている方もいらっしゃるし、宗教や信条も食生活にすごく関わってくるので。
理想の食生活というのは管理栄養士の中で持っていて、本当はこうした方がいいっていうのはあっても、 その方の思いとかけ離れすぎてると、そもそも信頼関係が築けなかったり、結局実現されなかったりするので、その方にとって効果的な取り組みが何かをプロとしてわかった上で、いかにその方の気持ちや思いも大事にして折り合えるところを見つけていけるか。そこに寄り添える管理栄養士なのかどうか、その姿勢はすごく大事だなと思います。

寄り添う、伴走するってすごく大事だなと思います。
管理栄養士ができることとか、価値って、本当に多岐にわたりますね。

みるたすの名前の由来

「みるたす」という社名の由来について教えてください。

「みるたす」は、「meal」食事に、「足す」、プラスするという言葉を合わせた造語です。食の分野で新しい世界や未来をつくるという意味の「たす」には、つながりをつくって発展させるという意味も込めています。
また、みるたすはギンバイカという植物の名前でもあるんですが、花嫁の髪飾りに使われるような祝いの木でもあるので、明るく幸せな未来のイメージも込められているんですよ。

「みるたす」という会社ができたと聞いて、薬局の現場の管理栄養士としてどんなことを思いましたか。

これまでも、新たな取り組みを進めていく中で活躍の場が広がっていくことがあったので、今回みるたすという新しいフィールドが増えたことで何ができるかな、というのを深く考えるようになりましたね。これまで培ってきた薬局の管理栄養士としての経験をもとに、現場起点で管理栄養士自身がやりたいことを発信していける場をつくっていきたいと思います。

みるたすが大切にしていきたいこと、実現していきたいこと

みるたすが大切にしていきたいこと、実現していきたいことは何でしょうか?

みるたすでは、「まちのみなさまと共に健康な”食”と”生活”をつくり 毎日いきいきとすごせる社会を目指します」というミッションを掲げています。
それは、生活者の方々が問題点に気づいて、何かを改善するということも大事なんですが、例えばお店で自然と健康にいいものを手に取れるような環境になっていたり、価格が高いから買えないといった経済的な問題も解決できていて、自分が食べたいものを選んで食べていたら、自然と健康になっているっていうことを、社会として実現できるのが理想ですね。
そしてみるたすとして、その一端を担えたらいいなと私は考えています。
カスタマーサクセスを第一に、みるたすの会社の名前の由来にもなっている「つながり」も大切にして、ありたい姿を実現していきたいですね。

東郷さんはいかがですか。

個人であっても、 企業であっても、管理栄養士をもっと身近な存在に感じてもらえるような取り組みをしていきたいなって考えています。
例えば管理栄養士の勤務先には病院や福祉施設など多くありますが、そういったところには、今病気でない、健康な方々はアクセスしづらいんですよね。もっと管理栄養士がいろんなところで活躍の場を広げていくことによって、健康な方から病気の方まで、「こういうことも管理栄養士さんに相談できるんだ」っていう体験をしていただきたいです。食に関するいろんな選択肢を提供していける場として、みるたすという会社を使っていただけるといいな、と考えています。

管理栄養士へのアクセスのしやすさとか、社会を変えていきたいという話がありました。
吉田さん、他の観点からみるたすとしてこういうことを実現していきたいな、ということがあれば、ぜひお願いします。

そうですね、管理栄養士さんの職能や職域を広げていく1つのきっかけとして、いま社会的にあるしくみを飛び越えて違う活躍の場をつくるのも、大事なのかなと思います。そのきっかけにみるたすがなれればいいなと思っています。
あと、未来をつくっていくにあたって、専門知識を持って行ったことに対する対価がもらえるしくみをつくっていく。そこはすごく大事だと思ってます。食に対する良い取り組みと、それに対する対価、その2つが歯車のようにかみ合っていくといいものができるんだろうし、取り組みが一気に進むんじゃないかなって思います。

確かに、現場の管理栄養士としても、もどかしさを感じることはこれまでにありました。例えば、栄養相談をしても、直接的なマネタイズにつながらない、みたいな部分とか。自分たちの取り組みがきちんとお客さまから評価されて、適切な対価につながっていくしくみができれば、管理栄養士としてやる気、モチベーションにつながるのかなと思います。

どんな事業を展開していくのか?

今後、みるたすで事業化していきたいこと、社会に対して提供できると思っていることを具体的に聞かせてください。

薬局の管理栄養士としてこれまで薬樹が培ってきた取り組みを、他の企業の管理栄養士の方々に提供することを既に事業の一つとして実施しています。特に、管理栄養士の育成という観点では、どのように生活者の方々にアプローチしていくのか、をコンサルティングという形でご提供できると考えています。また、管理栄養士がお客様に対して実施している食関連のイベントやレシピなど各種コンテンツを企業の方々に提供するのも引き続き実施できると思います。

東郷さんはいかがですか?

特定保健指導は社会からの関心が高く、件数も増えてきてるので、これからはみるたすとしても伸ばしていける分野として準備を進めているところです。
また、薬局の管理栄養士は他の企業でも増えてきていますが、薬樹は先んじて10年以上前から採用を続けてきているため、教育や研修プログラムの支援もできると思っています。

吉田さん、薬局という枠を超えて、管理栄養士の付加価値を上げて行くために必要なことはなんでしょうか。

みるたすがみるたすたる所以はなにかというと、やはり、薬樹ホールディングスに属していることだと思います。なので、みるたすに所属している管理栄養士は、みんな薬局の現場を少なからず経験しています。
例えば、 病院の患者様は、医療依存度が非常に高い方ですよね。一方で薬局のお客様って、医療依存度が高い方から低い方までいらっしゃいます。それに、薬局としてまちに出て行き、健康な方にアプローチすることも社会から求められているし、薬樹としても、これまで積極的に取り組んできました。
みるたすの管理栄養士は、医療依存度が高い方から健康な方まで幅広く対応し、生活者の方々の多様なニーズに答えていく姿勢を持ち続けたいと思っています。

社外で活躍されている管理栄養士さんに向けて

ここまでは薬局で勤務する管理栄養士について話をしてきました。
では、社外で活躍されている活躍されている管理栄養士さんたちとみるたすとの連携はどのようにイメージされていますか?

フリーの管理栄養士の方々の活躍の場は既に存在しますが、みるたすは、いろいろな場で活躍する管理栄養士の方々が交流し、一緒に活動する、オープンな場になるといいな、と思っています。
その中の1つが薬局にいる管理栄養士で、他にも、病院勤務の方、福祉施設の方、行政の方、企業勤務の方など、各分野で活躍する管理栄養士さん同士で影響しあえるといいんじゃないかと、思います。

例えば、各分野で活躍されている管理栄養士の方々にはそれぞれのお客様となる方がいらっしゃって、その方に対して日々真摯に向き合っていらっしゃる。そこではお互いの強みが存在していて、 かつ課題と思ってるところもそれぞれあると思うので、お互いに共有できたりとか。
あと、その地域に1歩出てみると、いろんなところに管理栄養士はいるけれど、各分野のつながりがなかったりします。それによって、食のサポートが受けられずに取り残されてる生活者の方々がいらっしゃって、実はそこにビジネスの種があるっていうこともあるので、ネットワークをつくって、その上で課題解決をすることによって、マネタイズされるといったしくみができればいいな、と思います。

一人一人の想い

では、1人1人の思いを聞かせてください。

管理栄養士として活躍できる幅は実はすごく広いと思っていて、企業や職域の枠にとらわれず、管理栄養士全体として、活躍の場をもっともっと広げていきたいなっていう思いがあります。
そのためには、お客様のニーズを的確にとらえてお答えし、それをビジネスとしても実現していくことができるようなしくみを、みるたすという場でつくっていきたいです。

はい、ありがとうございます。仲野さんはいかがですか。

これまでに薬樹として培ってきたものを、みるたすが今度は外に発信していったり、外の方と繋がって、広げていく、持続可能性を高めていくっていうところがまず大事だと感じています。 そういう1つ1つの積み重ねの中で、 他の企業や団体と信頼関係を培って、みるたすのありたい姿を広めながら実現させていけるような世界をつくれればいいなと思っているんです。
実現していくためには、やはりその主役となるのはお客様ですが、それを提供する側である管理栄養士が働きやすくて、活き活きと活躍できる状態であることもすごく大事だと思うので、 提供する側も受け取る側も、お互いが輝けるような事業っていうのが、みるたすとして求められているだろうし、自分自身もそれを実現させていきたいな、と思っています。

最後に吉田さんいかがでしょうか。

単純に、管理栄養士さんが活躍するフィールドを広げたい。ただその一点です。みるたすは開かれたフィールドがあるので、 世の中の構造的な問題も解決できることはしたいと思うし、管理栄養士さんたちが本当に活躍できるフィールドをつくりたいと思っています。
食とか栄養って幅広いから、管理栄養士の専門性も多岐に渡ると思います。その中の何かに特化するっていう人もいるだろうし、それをゼネラルに広めていく人もいるだろうし、こうじゃなきゃいけないってことはないかと。
みるたすは、管理栄養士さん一人ひとりの個性や自由な発想を発揮してもらえるような場にしていきたいですね。


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